近視の話

街かど診療室

保谷伊藤眼科・伊藤勇院長のコラム

 

現在、全世界的に近視が増加していることは、日本ではあまり知られていません。

ある推計では、2050年までにアフリカを含む全世界で約半数が近視になるとのことです。

原因として、遺伝的な因子よりも環境因子が大きく作用していることが挙げられます。

特に近視の多い東アジアでは、日本と韓国を除く多くの国々で社会的問題として近視を抑えるためのプログラムが進められています。ようやく本年より、日本の一部で学童の近視の実態調査が始まろうとしております。

 

近視を作る環境因子は…

この近視を作る環境因子とは何かというと、スマホ・タブレットなどの機器、屋内での生活時間の延長などが挙げられます。

学童期は1日2時間程度、屋外で過ごすことが近視抑制につながることは既に証明されており、各国で推奨されています。具体的には、木陰や建物の日陰程度の明るさの下で充分です。

 

実用化が期待される治療法もある

治療法は現在世界各国でいろいろ取り組まれ成果が出てきていますが、残念ながら日本では全く科学的根拠のない治療法が大手を振って営業されています。

点眼療法はようやく大規模調査がデザイン、実施されており、その結果を待つばかりです。

近視抑制メガネ、近視抑制コンタクトレンズも良好な成績が出てきており、実用化を待つばかりです。

 

近視を甘くみてはいけない

近視は、緑内障や網膜剥離など失明に至る病気のリスクを増やすことが明らかになっているため、いかに未然に防ぐか、またどのように付き合っていくかの、今後の啓蒙活動も重要になってきます。

 

プロフィール

伊藤 勇

「保谷伊藤眼科」院長。大学病院で最先端の眼科医療に携わった後、同院を開業。白内障等の日帰り手術のほか、網膜硝子体疾患手術、緑内障手術、眼科一般診療などを幅広く行っている。公式ホームページ:http://www.itoganka.com/

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